松尾芭蕉、正岡子規も訪れた歌枕の地
文知摺観音は、源融の みちのくの しのぶもちずり 誰ゆえに 乱れ染めにし 我ならなくに (古今集)や、松尾芭蕉の 早苗とる 手もとや昔 しのぶずり (奥の細道)の句で知られています。
昔から詩情や旅心に駆り立てられた数々の著名な文人が訪れてきました。
読者の皆さんも是非この地を訪ね、いにしえの歌人、俳人に思いをはせながら一首(一句)詠んでみてはいかがでしょうか。すばらしい思い出になるものと思います。
また、境内には多くのカエデの木々が生い茂り、秋には素晴らしい紅葉を楽しむことができます。
アクセス
場所は、JR福島駅東口の3番ポール 福島交通バスの「宮下町経由掛田または月舘経由川俣」行きで約20分「文知摺観音入口」で下車し徒歩5分で到着です。
時刻表(平日) 福島駅東口発 文知摺観音入口 行き 福島交通HPより
土日、祝日、正月は「文知摺観音」停留所までバスが行きます。そこから文知摺観音はすぐそこです。
ただし、本数が少ないのでご注意ください。
大きな駐車場が、正面入り口の東側(岡山小学校に隣接)にあり、車で行くにも便利な場所です。
文知摺観音付近の拡大図は下記のPDFをご覧ください。
map_mochizuri拝観料(安洞院のホームページより)
境内の拝観は無料
資料館見学は大人200円、小中学生100円、未就学児無料
※団体拝観ガイドは1人200円、資料館見学を含みます。必ずご予約ください。
境内水月庵での休憩は一名様100円。但し、他団体予約ある場合は団体利用が優先となります。
ご朱印300円
正岡子規の句碑がありました。さすがに経年劣化でよく読み取れません。
明治26年(1893年)7月25日 子規がこの地を訪れ 詠む
涼しさの 昔をかたれ しのぶ摺
句碑は昭和12年11月 子規追遠会に建立された 書は子規の真筆である
信夫文知摺保勝会
という説明が句碑の脇にありました。
源融と虎女の悲恋物語
境内には源融(「源氏物語」光源氏のモデル)と虎女(村の長者の娘)の悲恋を伝えるもちずり石や二人の墓があります。
桜も美しく、特に紅葉の季節は、境内全体が赤く染まり見事な風景を堪能できます。
敷地内には傳光閣という資料館(兼美術館)があります。
資料館には紫衣事件により羽州上山に流罪となった沢庵(タクアン漬けでも有名ですね。)が途中の福島宿で詠んだ歌「みだるなと 人をいさむる折からに わが心より しのぶもちずり」の歌の原本もありました。
また、芭蕉の「早苗とる」の句は「早苗つかむ」であったということがわかる、奥の細道の資料も展示してあります。
なお、館内は撮影禁止になっています。
皇室の方々の行幸啓など
明治41年 東宮殿下(のちの大正天皇)
昭和24年 貞明皇后
昭和27年 高松宮殿下
昭和43年 秩父宮妃殿下
雨宿り
私が最近訪れたのは、6月10日(土)と7月17日(月)になります。6月10日(土)の夕方には急に雨が降り出して、やむを得ず観音堂で雨宿りをさせていただきました。
五月雨の しのぶもちずり 雨宿り (くろの介)
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